急性壊死性潰瘍性歯肉炎とは?症状や治療法、歯周病との違いを解説
2025/10/20

こんにちは、江東区大島・東大島の歯医者、あおぞら歯科です。
「突然、歯ぐきがひりひりと痛むようになった」
「歯ぐきが赤くただれて痛い」
このような症状は、歯肉炎の一つである「急性壊死性潰瘍性歯肉炎」の可能性があります。
急性壊死性潰瘍性歯肉炎は、激しい痛みを伴う歯肉炎であり、発症すると日常生活に大きな影響を及ぼします。
今回は、急性壊死性潰瘍性歯肉炎の症状や原因、治療法、予防法などについて解説します。
急性壊死性潰瘍性歯肉炎とは

急性壊死性潰瘍性歯肉炎は、歯ぐきが壊死して潰瘍ができる、重度の歯肉炎の一種です。
強い痛みや出血、口臭などの症状が現れ、重症化すると発熱や首のリンパ節の腫れ、倦怠感などの全身症状を伴うこともあります。
特に、喫煙習慣がある方や、体力が低下している方、強いストレスを抱えている方は発症リスクが高いとされています。
急性壊死性潰瘍性歯肉炎の症状
急性壊死性潰瘍性歯肉炎は、突然発症するのが特徴です。
歯ぐきの強い痛みや出血によって気付かれることが多く、口臭の悪化や唾液の分泌量が増えるといった症状もよく見られます。
中でも特に特徴的なのは、歯と歯の間の歯肉がただれてえぐれ、壊死した部分が灰白色の偽膜に覆われることです。
また、あごの下のリンパ節が腫れたり、軽い発熱を伴ったりすることもあり、風邪と間違えられることもあります。
急性壊死性潰瘍性歯肉炎の原因
口腔内にはさまざまな微生物が存在しており、通常はそれらがバランスをとりながら生活しています。
急性壊死性潰瘍性歯肉炎は、このバランスが崩れて一部の細菌が過剰に増殖することで、歯肉の感染と炎症が引き起こされる病気です。
原因としては、不十分な口腔ケア、栄養不良、風邪や口内感染、喫煙、精神的なストレスなどがあります。
急性壊死性潰瘍性歯肉炎とそのほかの歯肉炎の違い

歯肉炎にはいくつかの種類があります。単純性歯肉炎は、歯垢に繁殖した細菌によって引き起こされる、一般的な歯肉炎です。
歯垢が原因のため不潔性歯肉炎と呼ばれることもあり、歯垢を除去し口内を清潔に保つことで改善が見込めます。
そのほか、妊娠中のホルモンバランスの乱れをきっかけとした妊娠性歯肉炎や、高血圧治療薬のニフェジピンやてんかん治療薬のフェニトインなどの薬剤の副作用による増殖性歯肉炎などがあります。
また、慢性剥離性歯肉炎のように、歯肉が剥がれやすくなる歯肉炎もあります。
急性壊死性潰瘍性歯肉炎は、これらとは異なり、突然歯肉が腫れ、壊死する歯肉炎です。
痛みや強い口臭が顕著で、放置すると周囲へ炎症が広がる恐れがあります。口腔内の衛生不良やストレスが大きな原因とされていますが、明確な原因はまだ特定されていません。
急性壊死性潰瘍性歯肉炎の診断方法
急性壊死性潰瘍性歯肉炎の診断は、主に歯肉の潰瘍や壊死の状態を観察することで行われます。
ほかの細菌やウイルスによる感染症との区別をするために、細菌培養検査や血液検査を行うこともあります。
急性壊死性潰瘍性歯肉炎の治療法
プラークコントロール

症状の出方や度合いによって急性壊死性潰瘍性歯肉炎の治療内容は異なりますが、まずはプラークコントロールを行い、口内を清潔に保つことが重要です。
しかし、スケーラーを用いたクリーニングは、出血や痛みを増幅させる可能性があります。
そのため、はじめは歯肉の炎症を鎮めるために、抗炎症作用のある洗口液を使用して口腔内を清潔に保つようにします。
さらに、歯肉の炎症を抑えるための抗菌薬や、痛みを軽減するための鎮痛薬も処方されるのが一般的です。
また、ブラッシングが可能な場合には、やわらかい毛先の歯ブラシで優しく歯を磨くようにします。
これらによって痛みや炎症が治まった後は、通常の歯肉炎治療と同様にスケーリングをはじめとした基本治療を行っていきます。
生活習慣の改善

急性壊死性潰瘍性歯肉炎の治療においては、生活習慣の改善も重要なポイントです。
まずは、十分に睡眠をとり、しっかりと休息を取ることが求められます。
栄養バランスを考えた食事をとることも大切ですが、痛みや炎症が激しい場合には、食事をすること自体が困難になることもあります。
そのような場合は、かむ必要のないゼリー状や液体の食品で栄養をとるようにしましょう。
また、急性壊死性潰瘍性歯肉炎は強いストレスを継続的に受けている方も発症しやすい傾向があるため、ストレスコントロールも症状改善のためには大切です。
ストレスを感じる場所から距離をとったり、ストレスを発散する時間を作ったりすることで、リフレッシュを試みましょう。
加えて、喫煙も急性壊死性潰瘍性歯肉炎の発症につながるため、禁煙をすることも必要です。
タバコは急性壊死性潰瘍性歯肉炎だけでなく、口腔内の健康にさまざまな悪影響を及ぼすため、症状が落ち着いてからもできるだけ控えるようにしましょう。
急性壊死性潰瘍性歯肉炎の予防法

急性壊死性潰瘍性歯肉炎は、一度治療してもその後再発する可能性があり、完治が難しい病気です。
そのため、症状が落ち着いてからも、発症を予防するために生活習慣やオーラルケア習慣を整える必要があります。
まず大切なのは、食生活の改善です。砂糖の摂取を減らし、間食を控えて決まった時間に栄養バランスの取れた食事をとるようにしましょう。
そして、禁煙を続けることも欠かせません。痛みや炎症で苦しまないために、これを機に禁煙に挑戦してみましょう。
また、当然ではありますが日々のオーラルケアも大切です。
毎食後に歯を丁寧に磨き、歯間ブラシやデンタルフロスも使用することで口内を清潔に保ちましょう。
さらに、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることで、セルフケアでは取り除けない汚れを取り除くようにしましょう。
まとめ
急性壊死性潰瘍性歯肉炎は、突然の激しい痛みや炎症を伴う歯肉炎です。
症状を抑えるためには、抗炎症薬や抗菌薬などが必要になることがほとんどですので、症状に気づいたら早めに歯科医院を受診しましょう。
また、日々のケアと生活習慣の見直しで、その発症や悪化を予防できます。
毎日のセルフケアと定期的な検診で、健康な歯と歯ぐきを保ち、快適な生活を送りましょう。
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