下がった歯ぐきに行う根面被覆はどんな治療?メリットやデメリットを解説
2025/06/20

こんにちは、江東区大島・東大島の歯医者、あおぞら歯科です。
根面被覆術は、歯肉退縮によって露出してしまった歯根を覆うための治療法です。
見た目の改善はもちろんのこと、知覚過敏や虫歯リスクの軽減にもつながります。
歯肉退縮の原因やリスク、根面被覆術の具体的な流れ、そのメリットとデメリットについて解説します。
歯肉退縮とは

歯肉退縮とは、歯の周りの歯肉が失われることにより、歯根が露出してしまっている状態を指します。
「最近、歯が長く見える」と感じたら、歯肉退縮が進行しているかもしれません。
歯肉退縮は加齢とともに増加する傾向にあり、口内環境がどれだけ良くても生じるリスクがあります。
歯肉退縮のリスクとしてよく挙げられるのは審美性が損なわれることですが、象牙質が露出することにより知覚過敏を引き起こしやすくなる、虫歯のリスクが高まるなども歯肉退縮のリスクです。
歯肉退縮の原因
歯周病
歯肉退縮の主な原因の一つは、歯周病です。
歯周病が進行すると、歯ぐきが損傷を受け、歯周ポケットが深くなります。
その結果、歯ぐきが下がり、歯肉退縮が起こります。
歯周病は普段のデンタルケアが不十分であることが主な原因ですが、もともとの免疫力の強さや遺伝的要素も影響します。
日々のセルフケアと定期的な歯科受診が、歯周病の予防・進行防止のためには大切です。
食いしばり・歯ぎしり
歯ぎしりや食いしばりも、歯肉が下がってしまう原因の一つです。
これらの習慣は、歯や歯ぐきに過度な力を加え、炎症を引き起こします。
食いしばりや歯ぎしりによる歯や歯ぐきへの悪影響を避けるための方法には、ストレス管理や生活習慣の改善、マウスピースの使用などがあります。
歯並びやかみ合わせ
歯並びやかみ合わせがよくないと、特定の歯や歯ぐきに過度の力が加わり、歯ぐきへのダメージが蓄積してしまいます。
そして、このダメージの蓄積により歯ぐきが炎症を起こし、歯肉退縮が促進されるというリスクがあります。
加齢
加齢は歯肉退縮の代表的な原因の一つです。
日々の歯磨きやデンタルフロス・歯間ブラシの使用、定期的な歯科医院でのメンテナンスは、口内の健康を維持し、歯肉退縮のリスクを軽減するために欠かせません。
間違った方法での歯磨き
間違った方法での歯磨きは、歯肉が下がる原因となります。
例えばブラッシングの際の力が強すぎると、歯ぐきやエナメル質の損傷、歯肉退縮につながります。知覚過敏の原因にもなりかねません。
歯肉退縮によるリスク
虫歯

歯肉退縮が進行すると、歯ぐきが下がるために歯と歯の間に隙間が生じ、汚れがたまりやすくなります。
また、隙間があるために歯ブラシで汚れを取り除くことが難しくなることも、虫歯のリスクが上がる原因です。
加えて、歯ぐきが下がることで露出した根面の象牙質は、口内の細菌による酸に弱く、虫歯になりやすいという特徴があります。
そのため、根元から虫歯になるケースも少なくありません。
知覚過敏

歯肉退縮が進行し歯ぐきが下がると、知覚過敏を引き起こすことがあります。
知覚過敏とは、正式名称を象牙質知覚過敏症(ぞうげしつちかくかびんしょう)といい、歯ブラシの毛先が触れたり、冷たい飲み物や甘いものを食べたりした際に痛みを感じる状態のことです。
健康な状態であれば、歯の表層にはエナメル質があるため、何かが当たっても痛みを感じることはほとんどありませんが、歯根にはエナメル質がありません。
そのため、露出した象牙質に刺激が直接伝わることで、痛みを敏感に感じ取るようになります。
口元の印象の変化
健康な状態であれば、歯と歯ぐきのバランスが良く、若々しい印象を与えることができます。
しかし、歯肉退縮が進行すると、歯の表面が次第に露出し、歯が実際よりも長く見えるようになります。
歯が長く見える状態は、不健康さや老いを感じさせるというデメリットがあります。
根面被覆の流れ

まず、治療計画を立てるためにレントゲン診査や歯周検査、かみ合わせの検査を行います。
これらの検査を通じて、個々の患者さんごとに原因や症状の程度を確認し、具体的な治療計画を立案します。
その後、かみ合わせの調整やブラッシング指導、虫歯治療などを進めることで、歯肉退縮の原因を改善します。
手術を行う部分に炎症が残っていると、麻酔が効きにくくなったり、出血が多くなったりするため、手術前にできる限り歯ぐきの炎症を改善しておくことが重要です。
根面被覆術は局所麻酔で行われ、施術は1〜1.5時間程度です。
術後には疼痛や腫れ、内出血斑が見られることがありますが、痛みは鎮痛薬などで和らげることができます。
腫れは2〜3日でピークを迎え、その後徐々に軽減していき、内出血斑も7〜10日で消失します。
また、術後4〜6週間ほどは週に一度ほど通院し、状態の確認やクリーニングなどを受けるのが一般的です。
根面被覆のメリット
根面被覆術のメリットの一つは、見た目の改善です。
根面被覆術により自然な歯ぐきのラインを取り戻すことができます。
また、露出した根面が歯ぐきで覆われることで、冷たいものや甘いものを食べた際の知覚過敏が和らぎます。
さらに、露出した根面には虫歯になるリスクが高いですが、被覆することでこのリスクを大幅に低減することができます。
そして、術後は歯肉が厚くなるため、歯肉退縮の進行が抑えられ、歯周病の進行を防止しやすくなります。
根面被覆のデメリット
根面被覆術には、いくつかのリスクやデメリットもあります。
まず、外科的処置を伴うため、治療後に腫れや痛みを感じることがあります。また、歯肉が完全には回復しない場合や、移植した歯肉が一定部分定着しないこともあります。
特に喫煙者や歯周病が進行している患者さんは、このリスクがより高くなります。
また、治療期間が長くなる可能性もあります。
移植された組織が完全に治癒するまでには数週間から数カ月かかることがあり、定期的なケアとメンテナンスが必要です。
まとめ

根面被覆術は、歯肉退縮によって生じる審美的な問題や健康リスクを改善するための治療法です。
治療を受ける際には、まず歯科医師によるカウンセリングを受け、どのようなメリットとデメリットがあるのかをしっかりと理解するようにしましょう。
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